真四角線コイルとは 電線は長い間、丸い形状で電気、電子部品の進化を支えてきましたが、近年コイル部の性能を更にアップできる電線として2000年頃に真四角線が製品化されました。占積率のアップ、表皮効果のメリット、放熱効果のアップ、省スペース化、パワーアップ化等、真四角線を使う事で、コイルに要求される特性を最大限に発揮する事が出来ます。正に21世紀の電線は丸から真四角に変わると言われており、電子、電化製品から自動車産業機器、航空機産業機器、宇宙産業機器まで、真四角線の用途は様々です。 真四角線コイル 丸線コイル 真四角線コイルの5つのメリット 占積率の向上 丸線で巻線したコイルに比べ、真四角線コイルは占積率が27%アップ 表皮効果のメリット 丸線と同じサイズの真四角線は表皮効果の面からも優位なため、流れる電流が増加 コイルのパワーアップ 断面積比から真四角線コイルは丸線より抵抗値が15%以上の低下(同電圧、同電流で比較) 放熱性の向上 丸線と比べ、隣同士の接触が大きく、空間が無い為、熱の保温がされ難く、放熱効果に優位 省スペース化 同じ抵抗値の真四角線コイルは線径を細く出来ることで、全体の省スペース化、トータルコストダウンが可能 ADVIKの取り組み 助成金事業計画「真四角線コイル巻き線技術の確立」によって、 より高い性能のコイル試作開発を請け負うことが出来るようになりました。補助事業により開発した技術(成果品)は、既存取引先から高い評価を受け、試作開発に使用した機械装置は生産転用を行いつつあります。 これまでの問題点 捩れの発生によるスペースロス 形状の維持が困難 装置の専用プログラムが外注 確認できた成果 捩れないよう供給する仕組みの確立 整列に巻く治具構造及び、独自補助装置の確立 巻線装置のプログラム確立 真四角線コイルの巻線技術を確立することで、 より高い性能のコイル試作開発を請け負うことが出来るようになりました。補助事業により開発した技術(成果品)は、既存取引先から高い評価を受け、試作開発に使用した機械装置は生産転用を行いつつあります。 試作品事例 カセット型コイル サイズ 12×20×11mm(ワイヤー寸法1.10) 業界 輸送機器 用途 アキシャルギャップモーター 丸線(φ1.2)から性能アップのための試作をしました。 分割ステータ サイズ φ50分割コア(ワイヤー寸法1.05) 業界 輸送機器 用途 電磁ブレーキ 丸線(φ1.1)で製作している既存品を真四角線で試作しました。(巻数16.5T) 2層目から3層目に移るときの機械動作と形状の保持の工夫により実現しました。